yamasakuの骨コツブログ

田舎の病院に勤務しているyamasakuです。主に業務で得た知識の備忘録について書いていきます。理学療法士と骨粗鬆症マネージャーの資格を持っています。

高齢者に急増中、サルコペニアの予防とは

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

今日は前回ご説明したサルコペニアへの予防方法についてご説明します。

 

前回のブログはこちら↓

 

yama37458.hatenablog.com

 

 

目次:

 

 

はじめに

 

1989年サルコペニアの予防・治療方法として、筋量の上昇を支援することが第一とされてきた。

一方、2010年European Working on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)によるサルコペニアの定義は、

「筋量減少+筋力低下」

「筋量減少+身体機能低下」

「筋量減少+筋力低下+身体機能低下」である。

 

この定義から予防を考えると、

筋量の上昇だけではなく、筋力向上、身体機能の改善が必要となる。

 

サルコペニアの評価として、

筋力検査(握力、5回椅子から立ち上がりテスト)

サルコペニアの確認:骨格筋量の測定

重症度の診断:フィジカルトレーニング(歩行速度、short physical performance battery、TUG、400m歩行)

を図るプロセスを提案している。

 

 

サルコペニアの予防

 

 低筋力の評価では、

上肢筋力(握力:男性27kg未満、女性16kg未満)

下肢筋力(5回椅子立ち上がりテスト15秒以内)があげられている。

 

低筋肉量の評価では、

骨格筋量(男性20kg未満、女性15kg未満)

骨格筋量指数(男性7.0kg/m²未満、女性6.0kg/m²未満)の両面からの評価である。

 

低フィジカルパフォーマンスでは、

歩行速度(0.8m/s以下)

SPPB(8点以下)

TUG(20秒以上)

400m歩行テストのcut off値を用いて診断する。

 

以上から、筋力、筋量、フィジカルパフォーマンスといった診断要素がcut off値以上を維持する目標値として設定したうえで支援する必要がある。

 

栄養・食事の重点POINT

 

✓適切な栄養摂取、1日に(適正体重)1kgあたり1.0g以上のタンパク質摂取はサルコペニアの発症予防に有効である可能性がある(エビデンスレベル:低、推奨レベル:強)

 

✓運動習慣ならびに豊富な身体活動量はサルコペニアの発症を予防する可能性があり、運動ならびに活動的な生活を推奨する(エビデンスレベル:低、推奨レベル:強)

 

✓高血圧、糖尿病、脂質異常症に対する治療薬、アンドロゲン薬、また糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、慢性心不全、肝不全(肝硬変)に対する運動・栄養管理がサルコペニアの発症を予防する可能性があるが、一定の結論には至っていない(エビデンスレベル:低、推奨レベル:弱)

 

サルコペニアの治療

 

サルコペニアの診断がされた方に対する支援策として、筋力、筋量、フィジカルパフォーマンスといった診断要素になった場合に治療される。診断された場合、身長ガイドラインに基づいて治療される。

 

運動療法サルコペニアの治療法として有効か

 

サルコペニアを有する人への運動介入は、四肢骨格筋量、膝伸展筋力、通常歩行速度、最大歩行速度の改善効果あり、推奨される(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

栄養療法はサルコペニアの治療法として有効か

 

サルコペニアを有する人への必須アミノ酸を中心とする栄養介入は、膝伸展筋力の改善効果があり、推奨される。しかしながら、長期的アウトカム改善効果は明らかではない(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

薬物療法サルコペニアの治療法として有効か

 

サルコペニアを有する人へのselective androgem receptor modulatorを含む薬剤は、サルコペニアの改善に一部有効であるが、現時点で承認された薬剤はない(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

複数の治療法の組み合わせはサルコペニアの治療法として有効か

 

サルコペニアを有する人へのレジスタンストレーニングを含む包括的運動介入と栄養療法による介入は、単独介入に比べサルコペニアの改善に有効で有、推奨される。しかしながら、長期的アウトカム改善効果は明らかでない(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

二次性サルコペニアに対する介入は原疾患に有効か

 

乳がん前立腺がん患者では運動が骨格筋量、身体機能の改善に有効である(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

COPD患者ではアミノ酸補充が身体機能の改善に有効である(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

✓慢性心不全患者では、運動やテストステロン補充により身体機能の改善が期待できる(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

骨粗鬆症患者ではテストステロン補充による骨格筋量の増加が期待できる(エビデンスレベル:非常に低、推奨:弱)

 

まとめ

 

新しい考え方のためか、エビデンスが低いものが多いですが今後この考え方が中心になると思われます。さらに、研究も進むでしょうし。

 

きっとメディアでも徐々に取り上げられるでしょう。

身体機能だけでなく、筋量やパフォーマンスにも着目する必要があるのは新しいですね。

 

握力...大丈夫ですか?笑